2014-01-01から1年間の記事一覧

涙は、偶然に。〜愛・アムールを観て、ハネケとリンチ〜

愛・アムールというミヒャエル・ハネケ監督の映画を観ました。 名作です。 僕はお年寄りが登場する映画に弱く、たとえば楢山節考を観て大泣きするような人間だったため、この映画も痛く感動しました。ちなみに始まって3分くらいの、アンヌが脳の障害でほう…

出色のユートピア映画、「カレ・ブラン」

これは良いユートピア映画ですね。 上司からの無理難題に体を張って応える従順な社畜さんたちの健気な姿に観る人は心打たれることでしょう。 会社のためとあらば仲間だって蹴落とす、そんな一途さに僕は感動しました! いつもつるんでいた仲良し4人組も、会…

都知事選で疲れた。

基本的に僕は他の人がそうであるように今回の都知事選にうんざりしているし、都知事選を分析したニュースやらブログやらにもうんざりしている。というよりもあまり政治に関心がないから仕方がない。 今回の都知事選では小泉・細川ペアが脱原発のみを争点にし…

ハンナアレント「人間の条件」について 2

2章 公的領域と私的領域 アレントの定義では、公的領域と私的領域は以下の通りである。 公的領域・・・世界に関わること。政治。異なるもの同士の平等。 私的領域・・・家族の領域。生命の維持に関わる領域。経済的な領域。同一性。 社会的なるものの勃興 …

ハンナ・アレント「人間の条件」について 1

ハンナ・アレント「人間の条件」を読んだので、その備忘録として、自分の理解を深めるために一章ずつその要約やら雑感を書きたいと思う。 僕は自分に理解できるよう分かりやすく書くし、他の人もこの本を読まずして内容が分かるよう書く事を心がけるため、暇…

かぐや姫の物語 動物世界/人間世界/月世界

高畑勲監督のかぐや姫は、私には「動物的なものの肯定」の映画に感じました。 あらすじは王道のかぐや姫ストーリーとあまり変わりませんが、細部にちりばめられたモチーフがそれを物語っています。 以下ネタバレを多く含みます。そして観ていることを前提と…